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Talking,Creating,Singing
共に語り、創り、唄う。
今と、これからのために ToyToy(トイトイ)

THE CROSS STORY  ~出会い~

想いを叶え続けていく人たちと、そこにつながる“もの”や“こと”から生まれる、新しい体験との出会いを。

人と地域が物語る、心を動かされるたくさんの体験を。

クロスホテル札幌で。

創造することと、想像させることを

衣服や装飾品などに描かれるアイヌ文様は、先祖代々受け継がれるもので、身に付けた人を“護る”という想いが込められているという。ToyToy氏は幼少期に手ほどきを受け、改めてこの文化を継承していくと志した時に、道内のお年寄りに会いに出かけ、さまざまなアイヌ文様を教えてもらったそうだ。ご先祖様たちが残してくれた手法を文化として共有して受け継ぎ、本物のアイヌ文様を学び直したのだ。そして決まり事を守った中で、新しい文様の表現に挑戦し続けている。

「この着物の刺繍を見てもわかるようにアイヌ文様はシンメトリーで、使う色数も少ない、シンプルで品を感じるもの。クロスホテルでは十字架を組み合わせたけど、他にも桜と合わせたものなど和の文化と融合させたデザインもしてる。古くからの手法は壊さず、基本を守って今の時代に合わせたデザインを考えているんだ」と話す。一方で、文様はコミュニケーションツールでもあるという。「ワークショップなどではみんなで切り絵をして作品づくりをする中で、文様のことはもちろんアイヌ文化のいろいろな話をする。トンコリの演奏でも、楽器を抱きかかえてもらって、音を出してみてもらうの。すると音がね、心臓に響く。何でも体験してもらうことなんだよね」と、話したこと、伝えたいことへの理解を深めてもらい、記憶に残る機会づくりを行なっている。

 

 

ToyToy氏はここ数年、道南地方へ通っているという。長い時の中で、アイヌ民族と地域の人々との哀しい歴史が始まった場であり、ここから未来のために、子どもたちに手渡すために、新しい文化を創ることができたらと話す。「自分も知らない歴史や哀しみがあったし、地元の方々にもいろいろな想いや考え方があるとわかった。歴史がある分、札幌とは違う文化が生きていて、それらは行ってみないとわからないことだったね。江差町では17歳の時に江差追分全国大会で優勝を果たした、素晴らしい歌姫KAZUMIさんとトンコリでセッションをしたんだ。和人地とされながらアイヌ民族と共生していたといわれる上ノ国町にも行ったし、松前町には何度も出かけてる。近年あまりアイヌ文化と関わりのないような町に行って、改めてアイヌ文化を伝えると共に、その地に残っているいろいろな文化を学ばせてもらってるよ。食文化ひとつとってもこれが歴史なんだなと感じられる魅力があって、ああもっと学ばなければならないという気持ちにさせられてる。行くたびに学びがあるんだよね」と、道南地方へ行くことは、ライフワークのようなことだと言う。

皆でできること、共にできることを

江差追分のライブ然り、道南各町のお祭りなどでの文化交流も重ねていきたいというToyToy氏。「アイヌ民族も、地域も文化を失くしてきた。だからアイヌ文化を伝えながら、地域の文化を盛り上げて、町から失くなりつつある文化を再生するお手伝いもしたいんだよね。江差追分のライブも今までに無かったことで、新しい文化を創ろうということをかたちにした結果。つながること、つなげることで、皆がハッピーになれることをしたいし、文様も音楽も、アイヌだけの文化ではなく、北海道のアイヌ文化にしたいと思ってる。歴史なども含めて、今の時代に合ったわかりやすい伝え方や学びの仕組みづくりをしなければならないとも思うよ。各町に通う中で、こうした想いを理解し応援してくれる仲間も増えているんだ。でも、遠いゴールをイメージして勢いよく進もうとするから、イノシシみたいだと言われることもあってね」と人懐っこい笑顔を見せる。皆でどんなことができるだろう、誰かのために何ができるだろうと常に考え、白老のお寺と、お経とトンコリが共鳴するオンラインライブ配信も行なった。

これからの活動について尋ねると「音楽が考えてくれよ、と言っているような気がする」と答えた。これからどう動いていくのかをちゃんと考えてと音楽に導かれているのだと言う。松前町の宿に飾られていた着物に、ここに居てくれて良かったと言って出会いを喜んだり、失われかけている民謡を、歌が探してと言っていると例えたり。あらゆるものに魂が宿ると考えるアイヌ民族ならではの言葉が、文化を大切にする想いをいっそう深く、温かくする。人はもちろん、ものやこともすべてに敬意を払い、感謝の気持ちを持つアイヌ民族の世界観は、現代社会にこそ求められる思想なのではないだろうか。トンコリは、人に音楽を届け、奏者となる自分にも音楽を響かせる楽器だという。ToyToy氏は、澄んだ音色で私たちを癒し、自らに力を授けながら、これからも自由に大らかに、皆を楽しませてくれる何かを創ってくれるのだろう。

Profile

ToyToy(トイトイ) 小川基

トイトイとはアイヌ語で「土の魂」の意味。トンコリ・ムックリ奏者、アイヌ民族舞踏継承者、アイヌ文様切り絵作家、アイヌ文様デザイナー。2010年より『ToyToy屋』の屋号で活動をスタート。作品制作、ライブ、イベント、ワークショップ、プロダクト製作・販売など、音楽とデザインを核に国内外において幅広い活動を展開。札幌市生まれ。

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