2025年11月1日から11月30日まで、クロスホテル札幌(ORIX HOTELS & RESORTS)は、サステナブルな観光につながる体験を提供するプロジェクト「つなぐはぐくむツーリズム」の一環で、「Make a circle!」をテーマにしたアートの展示を行います。
本展示では、北海道遺産である札幌軟石を加工する際に出る札幌軟石粉と、「札幌芸術の森」のクラフト工房から出る端材、
本来は捨てられてしまう素材をアップサイクル。
札幌在住のアップサイクルアーティスト、pepo upcycle氏の手によるアート作品を展示いたします。
期間:2025年11月1日(土)~2025年11月30日(日)
場所:2階ロビー meetlounge前
観覧無料
札幌軟石は明治期の開拓で耐火・保温建材として注目され、蔵や商家などに広く使われていました。石工が手作業で切り出し、
運搬のため馬車鉄道も整備されるなど、札幌の街の発展を支えました。
現在は需要が減少し、切り出しを行う企業もわずか1社となる希少な北海道遺産です。
札幌芸術の森は昭和61年に開館し、北方の新しい芸術・文化創造を目指して展示や講習、音楽などを通じ地域文化の発展に貢献してきました。
私たちが注目したのは、札幌の「はじまり」を支えた「石山地区」という両者の共通点です。
また、今回のアーティストpepo upcycle氏は、唯一軟石粉をアップサイクルアートの素材として用いた作家で、
その作品は札幌市のふるさと納税返礼品にも選ばれています。
この活動を通じ、札幌の歴史や文化を知るきっかけとするとともに、
こうした素材から新しい表現を生み出す作家の存在を広く発信し、未来へとつなげていきます。
札幌の開拓と発展を支えてきた北海道遺産「札幌軟石」。
建築や運搬に欠かせない素材として大きな役割を果たしてきましたが、コンクリートの普及とともに活用は減少しました。
近年はその魅力が再び注目され、アクセサリーや雑貨など新しい形で活用が広がっています。
今回素材提供にご協力いただいた軟石アクセサリーアーティスト Liaison 河野理恵氏も、
歴史の中でまちづくりに貢献した札幌軟石の存在を知って独学でアクセサリー作製を始めたアーティストです。
ただこの貴重な素材が再注目される中、加工の過程で生まれる「軟石粉」の活用が課題となっていました。

札幌芸術の森で開催されるワークショップ
一方、「札幌芸術の森」は、市民がアートをはじめる場として多くの人に親しまれてきました。豊富なワークショップを通じて文化を育んできましたが、その活動の過程で、端材などそれ以上活用することのできない素材が発生していました。
私たちは、こうした「あまりもの」を新しい作品へとよみがえらせることで、資源を大切に使い続ける循環型の社会づくりに貢献したいと考えています。
創作や生産を続ける中で、どうしても作品に使えない端材が増えてしまうという課題があります。
札幌軟石の加工過程では、年間約240ℓもの軟石粉が発生し、その多くが活用されずにいました。
また、札幌芸術の森のクラフト工房でも、年間数多くのワークショップの開催に伴い、制作端材が発生し、同様になかなか活用されませんでした。
地域の素材の魅力を見直し、文化を未来に受け渡していくことは、環境負荷の軽減や「住み続けられるまちづくり」にもつながります。
私たちは、歴史や想いを宿すこれらの素材に新たな息吹を与え、“かけらたち”が見てきた札幌の歴史と文化を未来へとつなげていきたいと考えています。
この取り組みから生まれたアートが、見る人の心に響き、札幌軟石に興味を持ったり、札幌芸術の森のワークショップに足を運んでみたりと、作品から次の行動へとつながるきっかけになることを願っています。
こちらの作品は、2階ロビー meetlounge前にて展示しております。
期間は 2025年11月1日(土)~2025年11月30日(日)まで。
本来なら捨てられてしまう素材たちが美しく作品として生まれ変わった姿を
ぜひ、近くでご覧くださいませ。