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WITH SAPPORO NATURE & SAPPORO COLOR
軟らかな石と風土を語る色を身近な暮らしの中に
( Liaison& Liaison color)

THE CROSS STORY  ~出会い~

 

想いを叶え続けていく人たちと、そこにつながる“もの”や“こと”から生まれる、新しい体験との出会いを。

人と地域が物語る、心を動かされるたくさんの体験を。

クロスホテル札幌で。

 

 

 

耳元で揺れるピアス。マットな質感で、淡いグラデーションや模様が見て取れる石が嵌め込まれている。触れるとどこか懐かしく感じ、意外なほど軽い。石の名前は、札幌軟石。明治から昭和初期にかけて、建築資材として盛んに使われた石だ。河野理恵氏は、この石を静かな存在感を放つ、小さな工芸品へと進化させた。もう一つ、札幌の街の色をテーマにしたブランドを持ち、ともにクロスホテル札幌でも手に取ることができる。地元愛を起点に自ら切り拓いたものづくりの道を、彼女は喜びを胸に歩み続ける。

 

札幌軟石の可能性に、惹かれ導かれ

 

 

天然石のアクセサリーブランド、しかし使われているのはキラキラと輝く石の対極にあるとも言える軟石。けれど、木目のきれいなセンやシラカバ、深い色味が特徴のエンジュの木、そしてシックなゴールドと合わせたアクセサリーは何ともスタイリッシュ。個性的な雰囲気を創り出す。作品づくりのきっかけは、たまたま訪れたイベントだった。「石でこんなにいろいろなものが作れることに驚き、直感的に自分も何か作りたいと思いました。結婚して子どもが生まれて、これからは家でできる仕事、何かものづくりがしたいと模索していた中で、これだ!と思ったんです」

そこから札幌軟石で作品づくりをしている方の工房を訪ね、教えを乞い、機材や道具についてもアドバイスをいただいた。しかしその後は独学で試行錯誤を重ね、技術を身に付けていった。「好きな形に切ったり、彫って模様も付けられたりと加工しやすく、無限の可能性を感じる素材です。何でも作れると思える、楽しい素材と出会えて本当に良かった。石の模様は切り口によってすべて違い、同じものは一つとして無いので、石の表情を見ながら作ります。4万年前の火山噴火で、火砕流が発生した場所にあった石や植物などを巻き込んでできた断面を見て、気に入ったものを選ぶ楽しみもあり、こうした歴史にロマンを感じる方も多いです」

そう話す河野氏は長くメディア関係の仕事に就いていた。その仕事の中で感じてきた、これからも札幌や北海道の魅力を伝えていきたいという思いに札幌軟石の存在が重なったことも、アクセサリーづくりの大きな原動力になっている。

 

つながり、広がっていく喜びを力に

 

 

 

札幌軟石でさまざまな雑貨が作られている中、まだ作られていなくて、より身近に軟石を感じてもらうものは何か。そう考えて作ったアクセサリーは評判を呼び、多くの展示会やイベントに誘われ、東京でも出店の機会を得た。こうした中で、いろいろな素材を使って作品づくりをしている方々と出会い、多くの収穫があると言う。「情報交換はもちろん、素材について教えていただき、一緒に作品づくりをすることも。エゾシカの角や皮を使ったアクセサリーなども作りました」と話し、ここ最近は、生活の中にもっと札幌軟石を取り入れてもらえればと、花器や軟石の特性を活かして染み込ませた香りも楽しめるオブジェなど、アーティスティックな雰囲気を持つものづくりも始めているそう。

また、札幌軟石が属する火山噴火でできる凝灰岩は、火山の国である日本各地に存在している。WEBサイトやSNSで情報発信する中で、同じように凝灰岩に惹かれ、ものづくりをしている仲間との出会いもあるそうだ。「地域それぞれで、石の特徴に違いがあります。交流があり、一緒に作品づくりをしている仙台の方が扱う秋保石は、少し白っぽくて硬いのが特徴です。噴火した時代、状況や周囲の環境などから石の中にあるものも違えば、色も硬さも違います。地元の凝灰岩による石の文化が根付いている栃木県の大谷石などのように、全国各地とつながりながら、軟石を活かした文化づくりができたら面白いですよね」

 

札幌を象徴する言葉とつながる70色

 

墨烏、リラ霞、藻岩山、札幌玉葱。札幌の街や風土をイメージさせるこれらの言葉は、市が「色彩景観ガイドライン」として選定した色の名前だ。市民の意見や札幌のさまざまな色彩などについて調査・研究が行われ、誰もが美しいと思えるだろう色彩にオリジナルの色名が付けられて誕生したもので、その数は70色にもなる。

「街の中のあちこちで使われているんですが、その色に気づく人は少ないと思いますし、札幌に70色もの景観色があること自体、あまり知られていないのでは。色も名前もとても素敵なので、もっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い、景観色をテーマにした姉妹ブランドを立ち上げました」と河野氏。景観色に彩られたデザインを、スマホケース、スカーフやネクタイ、ネイルポリッシュなど、いつもそばにあって目に付きやすい身近なアイテムで楽しむことができる。

 

ものづくりで、街の物語を伝えたい

 

札幌軟石にまつわる歴史や科学の物語。景観色から知る、札幌の街の風土や文化。河野氏はこうした札幌の街とつながる素材と色をものづくりのテーマに据え、背景にあることをも伝えたいという思いを大切にしている。「私のアクセサリーをきっかけに、歴史の中でまちづくりに貢献した札幌軟石の存在を知って、現存する軟石の建物を見つけてもらったり、街の中にある景観色に興味を持っていただいたり。私のものづくりがそのきっかけになれば良いですね」

この街に暮らす人たちには、よりいっそう愛着が湧くように。旅人ならば、より楽しみや思い出が深まるように。これからも、ものづくりを通して地元愛をかたちにし、伝えていくのだ。

Profile

Liaison(リエゾン)& Liaison color(リエゾン カラー) 河野理恵

テレビディレクター、芸能プロダクション勤務を経て、札幌軟石と出会い、独学でアクセサリー作家になる。2019年、札幌軟石のアクセサリーブランドLiaison(リエゾン)活動開始。翌20年には、札幌の景観色を使用したスカーフ・ネクタイなどを製作するLiaison color(リエゾン カラー)を立ち上げる。釧路市生まれ、札幌市在住。

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