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FOPPISH GIRL’S STORY CONTINUES.
成長し増殖するガールたちが描く、白と紺の物語
CHIE(チエ)

THE CROSS STORY  ~出会い~

想いを叶え続けていく人たちと、そこにつながる“もの”や“こと”から生まれる、新しい体験との出会いを。

人と地域が物語る、心を動かされるたくさんの体験を。

クロスホテル札幌で。

 

 

 

1997年生まれのFOPPISH GIRL(フォピッシュガール)は、アーティストCHIE(チエ)氏の分身だという。FOPPISHには、おしゃれな、気取っていてキザな、にやけたといったちょっと斜に構えたような意味がある。CHIE(チエ)氏は、白と紺の世界でこのFOPPISH GIRLだけを描き続けているアーティストだ。国内外で個展を開き、クロスホテル札幌のアートイベントにも参加。館内や客室に作品が飾られ、ホテル初のアートコンセプトルームも担当した。成長と増殖を続ける彼女たちのこれまでとこれからに興味が湧く

 

完成を見たいから、描き続けられる

 

線の太さは、わずか0.5mmというゲルインクペン。インク色は、ブルーブラック。このペンで、繊細な手描きならではの味がある線と点、白と紺の2つの色を使い、思いのままにその瞬間を全うするFOPPISH GIRLを描く。モチーフも色もペンさえも。考え選び抜いたもの、それ“だけ”にこだわり続け、描き続ける。「黒よりはやわらかく、青よりはかしこまった印象がある濃紺が、表現とのバランスが良いと思いました。幅2mくらいになる大きなものも描きますが、どの絵もまずはハガキ大ほどのサイズで全体の構図を決め、それを大きくコピーして描いていきます。手間がかかる描き方だとは思いますが、全体のバランスを決めて、それを崩さないようにしたいんです」と言う。最初は鉛筆を使うが、いざ本番となるとゲルインクペンだけで、定規も使わず手描きのタッチを大切に描いていく。何人ものFOPPISH GIRLたちとその背景にある世界を描くには、失敗はもちろん、インクが手に付かないようになどと、制作には高い集中力と持久力が求められる。

「決めたテーマに、私なりの遊び心を持たせて描いたものはきっと面白いだろうと。大きく描かれた姿はもちろん予測できていますが、少し違うイメージで仕上がるので、早く完成したものを見たいと思って描いているんです」とモチベーションを語る。

 

分身たちとの24年間は自身の人生

 

美術をはじめ芸術に親しむ両親のもとに生まれ、大学ではグラフィックデザインを専攻。とはいえ、デッサンなどはあまり得意ではなかったそう。しかし何かを表現したいという想いがあり、キャラクターを作ろうと考え、試行錯誤して生まれたのが“紙袋をかぶった女の子”だった。彼女の分身である女の子は、公式プロフィールでも紹介されているように、顔が見えないとできることや口には出せない気持ちを体現する、話すことが苦手だという彼女の心の内を吐露する存在である。

「最初の頃はあまりメッセージ性はなく、見て面白いだろうというものを描いていました。その後は一つの物語として、自分の気持ちを投影し、辛いことや苦しいことといったネガティブな部分も表現していました。たとえば、この先どこにどう進んで行けばいいのかとか。自分の中では答えが決まっていることでも、描くことで頭の中がすっきりと整理されていくんです。10年前くらいにようやくベースが完成したと思えるようになって、ここ数年は、見ていただいた方がどう思うか、ちょっと笑えたり、楽しい気持ちになると良いなと思いながら描いています。ようやく周りが見えるようになったというか。でもこれまでがあったから、今の自分があると思います」

 

 

キース・ヘリングと、岡本太郎から

 

 

キャラクターを作ろうと考えていた時に、衝撃を受けた出会いがあった。1993年に音楽業界を中心に立ち上がったエイズ啓発運動「アクト・アゲインスト・エイズ」のキース・ヘリングのポスターだった。シンプルな線だけで、見る人にインパクトを与える。この出会いがキャラクター作りを強く後押ししたそうだ。

そしてFOPPISH GIRLを描き続けて15年目、個展を始めて本格的に作家活動をスタートしようという節目に、岡本太郎現代芸術賞に応募した。結果、見事入選を果たした。岡本太郎の遺志を継ぎ、“時代を創造する者は誰か”を問うための賞は、作家の活動を支援し、優れた業績を顕彰する目的を持っている。ゆえに入選後は、東京からニューヨーク、大阪などでの作品展示へと縁がみるみるつながっていった。「ファンだった岡本太郎さんのおかげで、皆さんに支えてもらい活動が広がりました。太郎さんのパートナーの敏子さんもきっと好きだと思うよと、お二人を良く知る方に言っていただき、とても嬉しかったです」と笑う。

 

旅立った作品たちから広がる物語を

 

自身の分身と成長しながら活動するCHIE氏は、絵を描く、キャラクターを創るきっかけをくれたキース・ヘリングに倣い、HIV陽性者・AIDS患者との共生と差別・偏見のない社会実現を目指す「NPO法人レッドリボンさっぽろ」にヘルプスタッフとしてボランティア参加し、チャリティグッズ制作や広報にも積極的に参加している。また、ドナルド・マクドナルド・ハウスさっぽろや札幌市にある小児専門病院の北海道立子ども総合医療・療育センター(コドモックル)に作品寄贈をするなど、社会とつながるアクションも行なっている。

「ホテルなどでの取り組みも含め、自分の手元から離れて行った先で、そこからまたストーリーが広がっていってほしいですね。私の知らない所で彼女たちが生きていて、新しい何かを創るきっかけになればと思います」と話すCHIE氏が今描きたいのは、2年前から制作を続けている作品だそう。その作品につながる、これまでとその先を見据えながら、描いているその時々の事象を描き込み、つなぎ合わせることで完結するという。作品の完成が今から楽しみだ。

Profile

CHIE(チエ)

大学在学中に生まれた「FOPPISH GIRL」だけを描き続けるアーティスト。2012年に第15回 岡本太郎現代芸術賞において、応募作品797点から入選24点に選ばれる。札幌を拠点に、国内外で個展を開き、ニューヨーク・ブルックリン、フィンランド・ヘルシンキ、大阪をはじめとする関西圏、アジアなどのアートイベントで作品発表を行なっている。札幌市生まれ、在住。

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