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Swing,Swing SAPPORO
進化を続ける、育ち続ける、街の中へ、人の中へ
サッポロ・シティ・ジャズ

THE CROSS STORY  ~出会い~

想いを叶え続けていく人たちと、そこにつながる“もの”や“こと”から生まれる、新しい体験との出会いを。

人と地域が物語る、心を動かされるたくさんの体験を。

クロスホテル札幌で。

 

 

 

“札幌がジャズの街になる”。そのメッセージ通り、街の中へ、人の中へと広がり続け、15周年という節目を迎えたサッポロ・シティ・ジャズ。前身のフェスから新たなスタートを切った2007年7月は、偶然にもクロスホテル札幌の開業と重なり、“ジャズの街”を具現化すべく、ホテル前庭はこの時以来、自由で開かれたステージになった。15年の間にジャズという音楽の力はこの街でどんなことを創造してきたのか、この先何を聞かせてくれるのか。内外に誇る一大フェスに携わり続けるプログラムディレクター竹平篤史氏が語る。

 

自由で多彩なステージを夏から冬へ

 

 

初年度の中島公園から会場を移し、夏の大通公園に現れた、白いドーム型テント「ホワイトロック」。これまで札幌には無かった食事やお酒を味わいながら音楽を楽しめる場所は、映像投射による演出も話題となった日本初のエンターテインメント空間だった。その後、2階席を設け、収容人数を増やした「サッポロミュージックテント」が登場し、“夏は大通公園でジャズを楽しむ”ことが、市民や道民の間で風物詩となっていった。

「それまでは、好きな人だけが聞く、夜のバーで楽しむものというような固定観念があったジャズを、多くの人が楽しめる昼間に、街の真ん中に持ってきたことは当時斬新なことでしたね。まずはジャズのイメージを変えて楽しむ層を広げること、ミュージシャンの活躍の場を増やすことを目指しました」と竹平氏。結果として観客数、参加アーティスト数を伸ばし続け、日本最大級のジャズフェスへと成長した。ジャズという音楽は、実はとても自由で豊かで多くの聞き手を受け入れる大らかさがあるといわれている。まったくもってその通りになっていったのだ。

大通公園を核に、札幌芸術の森、市役所や駅前、ホテルや観光名所とステージは多彩に広がり続け、夏の札幌がジャズの街になっていった12年目のこと。メイン会場は、札幌文化系術劇場 hitaruの多面舞台へと移り「シアタージャズライブ」がスタートした。「hitaruのステージ上が会場になり、非日常的な空間の雰囲気が一層高まりました。さらに、開催時期も冬になり、オープンエアーのもと繰り広げられる夏に加え、劇場やスタジオなどで楽しむ秋・冬と、一年中楽しんでいただけるようになりました」と話す。15年の軌跡を改めて振り返ってみると、大きな進化を繰り返し続けていることが、自由で豊かなジャズという音楽の魅力に重なっていく。

 

次代に響くジャズを、この街で育む

 

 

1999年から開催されていた前身のサッポロ・ジャズ・フォレスト。その土壌は、今へとつながるさまざまな功績を残している。中でも次世代を育てる取り組みは、2000年に立ち上がった「札幌ジュニアジャズスクール」から始まっている。小中学生を対象に、技術のみならず演奏を通じ福祉や地域活動にも関わる実り多い学びの場からは、優れたミュージシャンも輩出し、現在は道内4市町村でも展開されている。そしてもう一つ、若手演奏家がジャズの本場、米国・バークリー音楽大学の学びを受講できる「北海道グループキャンプ」。こちらも、2006年から今に至る。

一方、サッポロ・シティ・ジャズでは、プロ、アマを問わず、開かれたフェスを象徴する「パークジャズライブ」が開催される。「全国から出演者を公募し、250組もが札幌に集い、いろんなジャンルのジャズを街のあちこちで演奏するという、まさにジャズの街になる、札幌ならではのプログラムです。観客の皆さんもミュージシャンも会場をハシゴして楽しんで、この街を知るきっかけにもなりますよね」と話し、「クロスホテル札幌前庭での観覧無料の屋外ステージ「クロス・シティジャズライブ」は、市内各所の中でも注目される場になりました。これからが期待されるミュージシャンを招聘し、広くその力を知ってもらうと共に、ライブの完成度や盛り上がりの様子で、メイン会場への切符を手に入れることにもつながるという。オフィス街でメディア各社とも近いですし、市民の皆さんにどう評価されるか、絶好のPRの場という役割もある会場です」と続けた。こうした教育や育成の機会からステージ演奏までが立体的に構築されているフェスは国内でも稀だと言う。

 

15年目に想う、これまでとこれから

 

観客やボランティアの方々と関わる中で、その時々の音楽や文化の動きや流れが見えたり聞こえたりするようになったと竹平氏。メイン会場やステージイベントで求められる世界観づくりや招聘するミュージシャン選びに役立っていると言う。会場アンケートにも参考になる言葉が溢れていて、ジャズがこの街の風土に合い、愛されているのをごく近くで感じてきたと喜ぶ。

「ボランティアの皆さんをはじめ多くの方々の支えに深く感謝しています。実行委員会としては、今までもこれが正解だということはなく、サッポロ・シティ・ジャズに合う、らしいやり方は何だろうと模索してきました。継続できていること自体が、大きなチャレンジを叶えているんだと思っています。これからも観客を広げ、次世代が育つ環境を手助けする。地域と文化を結び付け、企業やボランティアの皆さんとの絆を大切にしていくという基本を守りながら、まだまだいろいろな可能性があると感じています。15歳は伸び盛りという年齢ですし、20周年を目指したいですね」と話す。ジャズが大好きな街になった札幌は、どんな大人になるのだろう。

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