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この村らしさは、人にある。 赤井川村で、未来を育む人々
豊かな自然や食の魅力だけではなく、この土地を想い、
未来へつなぐために挑戦を続ける人々がいます。
今回は赤井川村の『未来』をささえる人々に、会いに行きました。
人が、この村を育てている。
赤井川村には、この土地をもっと良くしたいと行動する人、新しい暮らしに挑戦する人、未来へつなぐために歩み続ける人がいます。
クロスホテル札幌は、赤井川村を訪れ、それぞれの想いや日々の取り組みについてお話を伺いました。
食だけでは伝えきれない、赤井川村の魅力を「人」を通してご紹介します。
「地域に育ててもらった恩を、次の世代へ。」
一般社団法人カルデラックス 理事 赤木 陽介さん
赤井川村でアスパラガスを栽培する「コロポックル村」の代表を務める傍ら、一般社団法人カルデラックスの理事として、地域の魅力発信や人と人をつなぐ活動にも取り組む赤木さん。
生産者として農業に向き合う一方で、村全体の未来を見据え、地域で新たな挑戦をする人たちを支える存在でもあります。今回は、活動を始めたきっかけから、地域づくりへの想い、そして赤井川村の未来についてお話を伺いました。
赤木さんがカルデラックスの活動に携わるようになった背景には、「地域全体をもっと面白くしたい」という思いがありました。
「赤井川村には、それぞれが自分らしく活動している魅力的な人がたくさんいます。でも、それぞれが個別に動いていることも多かったんです。」
赤木さん自身も農業生産者として歩んできましたが、年齢を重ねるにつれ、自分の農業だけではなく、
「村全体をどう良くしていくか」という視点を持つようになったといいます。
「誰か一人が目立つのではなく、みんなが持っている魅力を生かしながら、全体のバランスを考えてつないでいけたら面白い。」
カルデラックスでは、生産者や事業者、地域で活動する人たちをつなぎ、新しい取り組みが生まれるきっかけづくりを行っています。
地域の可能性を一人で広げるのではなく、多くの人とともに育てていくこと。それが赤木さんの目指す地域づくりです。
「恩返し」ではなく、「恩送り」という考え方
赤木さんに活動を続ける原動力を尋ねると、「恩返しではなく、恩送りなんです」という言葉が返ってきました。
農業を始めた当時、栽培方法だけではなく、地域での暮らし方や考え方まで、多くの先輩たちが親身になって教えてくれたそうです。
「本当にこの地域に育ててもらいました。」
だからこそ、自分がお世話になった人へ返すのではなく、その想いを次に赤井川村へ来る人や、これから挑戦する若い世代へつないでいきたい——そんな気持ちが、今の活動の原点になっています。
地域の課題を一人で解決することは難しくても、人と人をつなぐことで新しい可能性は生まれる。
赤木さんは、カルデラックスを「地域の駆け込み寺」のような存在にしたいと話します。
困った時に相談できる場所があり、人と人が自然につながっていく。そんな地域だからこそ、赤井川村の未来はさらに面白くなると信じています。
赤木さんが「ぜひ見てほしい」と話すのが、赤井川村へ入る前に立ち寄れる『冷水峠カルデラ展望所』からの景色です。
カルデラ盆地ならではの雄大な景色が広がり、天気の良い日には村全体を見渡すことができます。
「発展しすぎていないことも、この村の魅力なんです。」
街灯が少ないからこそ見える満天の星空、四季折々の自然、不便さの中にある豊かさ。
札幌や新千歳空港からアクセスしやすい一方で、都会では味わえない時間が流れています。
今回のクロスホテル札幌との取り組みにも、「まずは赤井川村という名前を知ってもらうことが大切」と期待を寄せます。
レストランで料理を味わったことがきっかけとなり、「今度行ってみよう」「赤井川村のものを選んでみよう」と思ってもらえたら嬉しい。
そんな一歩一歩の積み重ねが、地域の未来につながっていくと話してくださいました。
「人とのつながりを育みながら、この村で暮らしをつくる。」
やなぎさわ農園 柳澤 明さん
2016年に赤井川村へ移住し、2018年に新規就農した柳澤さん。
現在はメロンのほか、パプリカやミニトマトなど野菜の栽培に加え、農泊や家族とともに情報発信にも取り組みながら、赤井川村の魅力を発信しています。
「おいしい農産物を届けること」はもちろん、「また赤井川村へ来たい」と思ってもらえるきっかけをつくりたい――。
そんな想いで、この土地と向き合い続けています。
柳澤さんが赤井川村を選んだ理由は、都会から程よい距離にありながら、自分らしい農業に挑戦できる環境があったからでした。
積丹町で生まれ育ち、大学進学や就職を機に京都や東京、大阪で暮らしてきた柳澤さん。
農業を志したとき、全国さまざまな就農先を検討する中で出会ったのが赤井川村でした。
「地域によっては、新規就農者が育てる作物をあらかじめ決めて受け入れているところもあります。
赤井川村はそうではなく、研修を受けながら自分に合った作物を選べる自由さがありました。」
実際に暮らし始めると、すぐに地域とのつながりも生まれました。
研修先の農家との出会い、子育てを通じた地域のコミュニティ。村全体が顔の見える距離感だからこそ、困ったときには自然と支え合える関係が築かれていったといいます。
「本当に温かい人が多いですね。」
新しく移り住んだ人も自然と受け入れてくれる空気が、この村には流れています。
「おいしい」の一言が、また頑張ろうと思える力になる
夏の収穫シーズンは、朝4時から一日が始まります。
ハウスを見回り、水やりや管理作業を終えると、スタッフとともに畑へ。
特にメロンは、自らの手で一玉一玉の状態を確認しながら収穫のタイミングを見極めています。
葉の色や果実の状態、ネット模様の変化など、いくつものサインを確認しながら収穫するため、数千玉あるメロンを毎日丁寧に見て回ることも珍しくありません。
そこまで手間をかける理由を尋ねると、柳澤さんは笑顔で答えてくれました。
「やっぱり『おいしい』と言ってもらえるのが一番うれしいですね。」
忙しい毎日で、目の前の仕事に追われることも少なくありません。
それでも、お客様から届く「おいしかった」という言葉が、次の一歩を踏み出す力になっていると話します。
一方で、「もっと直接、お客様と話す機会も増やしたい」とも語ります。
生産者としてだけでなく、自分の言葉で農産物の魅力を伝え、お客様の声を直接聞ける場所をつくることが、これからのやりたいことの一つです。
柳澤さんは農産物を育てるだけでなく、「農泊」にも取り組んでいます。
農泊とは、農山漁村に滞在し、その土地ならではの暮らしや食、自然、人との交流を体験する旅のこと。宿泊するだけではなく、地域の魅力を五感で感じられる滞在スタイルとして、全国で注目されています。
柳澤さんが目指すのは、家族みんなが笑顔になれる農泊です。
畑で野菜を収穫し、自分たちで料理をつくる。虫を探したり、川で遊んだり、夜には満天の星空を眺める。
ホテルでは味わえない、自然の中でゆったりと過ごす時間が広がります。
「野菜を収穫すること」だけが目的ではありません。
その日、その場所で過ごした時間や、人との出会いも含めて、赤井川村を好きになってもらえたら――そんな想いが込められています。
今回のクロスホテル札幌の取り組みも、そのきっかけの一つです。
レストランで赤井川村の味に触れ、「今度は実際に行ってみたい」と思ってもらえたら嬉しい。
そして、村を訪れ、人と出会い、自然の中で過ごす時間が、新しい赤井川村の思い出になってほしいと柳澤さんは話します。
「春はアスパラ、夏はメロン、冬はスキー。季節ごとに違う魅力があります。ぜひ一度、赤井川村へ遊びに来てください。」
未経験から飛び込んだ、新しい挑戦。
KAWANO FARM 川野 智彦さん
新規就農から4年目。静岡県から赤井川村へ移住し、新規就農した川野さん。
40歳を迎える頃、「自分で何かをつくる仕事がしたい」と会社員から農業の世界へ飛び込みました。
現在はトルコキキョウやスターチスを中心とした花の栽培に取り組みながら、新しいことにも果敢に挑戦しています。
ゼロから始めた農業だからこそ感じる赤井川村の魅力や、これから描く未来について伺いました。
会社員として働いていた川野さんが農業を志したのは、「自分で何かをつくる仕事がしたい」と考えたことがきっかけでした。
しかし、農業経験はまったくなく、何を育てたいのかも決まっていなかったといいます。
そんな中で出会ったのが赤井川村でした。
「赤井川村は、研修の中でいろいろな作物に触れながら、自分に合ったものを選べる環境だったんです。」
他の地域では栽培する作物が決まっていることも多い中、実際に体験し、自分の意思で選択できる自由さに魅力を感じたそうです。
研修を重ねる中で出会ったのが花の栽培でした。
「野菜も魅力的でしたが、花にはまだ可能性があると思ったんです。自分の力で新しいことに挑戦できると感じました。」
その直感を信じ、現在はトルコキキョウやスターチスを中心に栽培を行っています。未経験だからこそ固定観念にとらわれず、自分らしい農業を築いています。
毎日が勉強。だからこそ面白い
川野さんの一日は朝5時から始まります。
作業は夕方まで続きますが、「夜はできるだけ子どもと過ごしたい」と話します。
会社員時代のように決められた時間ではなく、自分で時間を組み立てられる一方、「自由だからこそ時間が足りない」と笑います。
花づくりでは、一輪一輪に手をかけることを大切にしています。
枝を整理し、芽を摘み、栄養がしっかり行き渡るよう丁寧に管理することで、美しく品質の高い花を育てています。
「毎日が勉強ですね。」
農業を始めてまだ数年。思いどおりにいかないことも多く、今年は土壌病害という大きな課題にも直面しました。
それでも、「毎日新しい発見があることが楽しい」と前向きに語る姿が印象的でした。
目の前の作物と真摯に向き合い、少しずつ積み重ねていく。その時間そのものが、川野さんにとってのやりがいになっています。
赤井川村での暮らしについて尋ねると、「ここが自分の居場所ですね」と迷いなく答えてくれました。
静岡県を離れ、今では帰省する機会も少なくなったという川野さん。それほどまでに、この土地での生活に夢中になっています。
「余計なものがなくて、目の前の花としっかり向き合える。この環境が自分には合っています。」
もちろん、輸送や資材調達など地方ならではの苦労もあります。
しかし、それ以上に農協や生産者が近くにいる安心感が、挑戦を後押ししてくれている環境だと話します。
来年は新しい花の栽培にも挑戦する予定です。病害を乗り越えるため土づくりから見直し、新たな品種にも取り組みたいと考えています。
「まだまだやりたいことがたくさんあるんです。」
そう語る川野さんの言葉からは、挑戦を楽しみながら歩み続ける前向きな姿勢が伝わってきました。
最後にホテルをご利用のお客様へ、「ぜひ一度、赤井川村を体感してほしい」とメッセージをいただきました。
雲海が広がる幻想的な景色や、豊かな自然、そしてそこで育まれる農産物。その魅力は、実際に訪れることでより深く感じられるはずです。
人との出会いが、赤井川村とのつながりになる。
赤井川村には、この土地の魅力を大切に育みながら、それぞれの場所で新たな挑戦を続ける人たちがいます。
地域をつなぐ人、新しい一歩を踏み出した人、暮らしや魅力を未来へ伝えようとする人。今回ご紹介した皆さんの姿から、赤井川村の魅力は、美しい景色や豊かな自然だけでなく、「人」によって育まれていることを感じていただけたのではないでしょうか。
このページをきっかけに、赤井川村を訪れてみる、特産品を手に取る、ふるさと納税で応援する。
そんな一つひとつの行動が、この村で挑戦を続ける人々の力につながります。
クロスホテル札幌は、これからも赤井川村とともに、地域の魅力や、そこに暮らす人々の想いを発信してまいります。
